清掃の引き継ぎが口頭だけだと、伝わったつもりの情報が抜け落ちます。シフトが変わる現場では、1枚のノートがクレームを防ぐ装置になります。書くべきことは5つです。
書いておく5項目
- 在庫の残り:品目ごとに、おおよその残数。「シーツ残り少なめ」ではなく「シングル用20枚」と数字で書きます。
- 不足している品目:今日足りなかったもの、明日足りなくなりそうなもの。発注済みかどうかも添えます。
- 客室の特記事項:連泊で交換不要の部屋、ゲストから依頼を受けた追加寝具、入室を断られた部屋。部屋番号とセットで書きます。
- 備品・設備の異常:洗濯機の異音、乾燥機の効きが悪い、シミが落ちなかったリネンの行き先。放置すると翌日以降に広がります。
- 翌日の予定:到着予定、団体の有無、業者の納品・回収の時間帯。
この5つが埋まっていれば、次のシフトの人は誰にも聞かずに動き出せます。各行の末尾に書いた時刻と名前を入れておくと、後から確認したいときに誰に聞けばよいかが分かります。
逆に、書かないほうがよいこともあります。ゲストの個人情報や、人の評価に関わる記述です。ノートは誰の目に入るか分からない場所に置かれます。部屋番号と事実だけにとどめるのが安全です。
「迷ったこと」を書く欄をつくる
5項目のほかに、小さな欄をもう1つ設けてください。判断に迷ったことを書く欄です。
汚れがどこまで落ちていれば合格なのか、連泊の交換をどこまでやるのか。こうした線引きは人によってずれます。迷った場面を書き残しておくと、後から責任者がルールを決める材料になります。書かれなければ、ずれは誰にも見えないまま残ります。言葉で書きにくい汚れや破れは、写真を1枚撮って共有する手もあります。
同じ迷いが繰り返し出てくるなら、それはルールが足りないというサインです。月に一度ノートを見返して、繰り返し現れる項目を手順書に移していきます。
続くノートの条件
引き継ぎノートは、だいたい2週間で止まります。止まる理由は決まっています。
- 書く項目が決まっておらず、毎回文章を考える必要がある
- 置き場所が決まっておらず、探さないと見つからない
- 誰も読んでいないと分かる(書いた側が書かなくなる)
対策はシンプルです。項目を印刷した用紙を用意し、空欄を埋めるだけにする。置き場はリネン庫の入口など、必ず通る場所に固定する。そして責任者が目を通した印を残す。読まれている形跡があるかどうかが、続くかどうかを分けます。
紙でも共有アプリでも構いません。大事なのは、全員が同じ1か所を見る状態をつくることです。置き場が複数に分かれると、見ていない人が必ず出ます。
明日からできることとして、上の5項目を見出しにした用紙を1枚つくり、今日の分から埋めてみてください。手書きで数行、2分もかかりません。それだけで、翌朝の確認の電話が1本減ります。
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