こだわりのリネンは、
なぜ3〜4倍のコストになるのか
自分で選んだお気に入りのリネンで開業したい。そのお気持ちはよく分かります。ただ、そこにコスト計算が入っていないケースが多いのも事実です。沖縄でリネンサプライを続けてきた現場から、盗難と耐久性という2つの落とし穴をお伝えします。
3〜4倍程度
盗難による紛失、へたりによる買い替え、そして他のリネンと分けて洗濯する必要があること。この3つが積み上がった結果です。それでも利益が取れる、あるいはこだわりとしてやりたいという場合にのみ、選んでいただきたいと考えています。
なぜオーナー様はこだわりのリネンを選びたくなるのか
これからホテルを始められるオーナー様は、自分で選んだこだわりのリネンを使いたいと考えることが多くあります。それ自体は、とても自然なことです。
ロゴ入りのシーツ、ふかふかのタオル、上質な肌ざわり。自分の理想とする宿泊体験を形にしたいという思いから、リネンにこだわりたくなるのは当然のことだと思います。実際に、それがホテルの個性になっている施設もあります。
ただ、打ち合わせでお話ししていると、そこにコスト計算が入っていないケースが非常に多いと感じます。「1枚あたりいくらか」という購入時の金額だけで判断されていて、そのリネンが実際に何回使えるのか、何枚が手元から消えていくのかまでは、計算に入っていないのです。
こだわりのリネンをやめてください、という話ではありません。判断するために必要な数字が抜け落ちたまま決めてしまうと、開業後に思っていたのと違う、ということになりかねません。決める前に、この2つだけは知っておいていただきたいのです。
① 盗難のリスクは、質が高いほど上がります
持ち帰りたくなるほど良いものだからこそ、なくなります。宿泊されたお客様による持ち帰りだけでなく、清掃に入るスタッフによる持ち出しも、現実には起こります。
これは口に出しにくい話ですが、リネンサプライの現場では避けて通れない現実です。ごく普通の白いタオルであれば持ち帰ろうと思う人はほとんどいません。しかし、明らかに上質だと分かるタオルや、市販で買えばそれなりの値段がすることが分かるリネンは、状況が変わります。
そして厄介なのは、なくなった分は、そのまま買い替えになるという点です。こだわりのリネンは1枚あたりの単価が高いため、1枚失われるたびの損失も大きくなります。しかも同じものを揃えなければ客室の統一感が崩れるので、「安いもので代用する」という選択肢が取りづらいのです。
見落とされがちな点:盗難による紛失は、月に数枚でも年間では相当な枚数になります。開業前の試算では、この「消えていく枚数」がゼロで計算されていることがほとんどです。
② 業務用リネンと一般のリネンでは、耐久性がまったく違います
一般的なタオルが30回の洗いで使えなくなるところ、業務用ではその3倍以上もちます。一方でこだわりのタオルは、20回もたないこともあります。
ここが最も理解されにくい部分です。業務用のリネンは、見た目が地味なぶん「安物」と思われがちですが、実際は逆です。何十年にもわたって、業務用の洗濯機で、高温で、大量に、繰り返し洗われることを前提に研究され尽くして作られています。
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| リネンの種類 | 洗濯に耐えられる回数の目安 | 評価 |
|---|---|---|
| 業務用リネン | 90回以上(一般的なタオルの3倍以上) | 最も長持ち |
| 一般的なタオル | 30回程度で使えなくなる | 標準 |
| こだわりのタオル | 20回もたないこともある | 短命 |
数字について:上記はノゼランリネンサプライが沖縄の現場で扱ってきた経験にもとづく目安です。生地の種類、洗濯条件、使用状況によって変わります。
ふかふかで肌ざわりのよいタオルほど、繊維がやわらかく、業務用洗濯の負荷に弱い傾向があります。数十回洗ったところで硬くなり、ごわつき、毛羽落ちが目立ってくる。お客様に「上質さ」を感じていただくために選んだはずのタオルが、いちばん早く「くたびれたタオル」になってしまうのです。
そうなれば買い替えです。単価の高いリネンを、一般的なリネンよりも短い周期で買い替え続けることになります。
③ 洗濯を分けて行う必要があるため、割高になります
そのため洗濯を別に立てる必要があり、その分どうしても割高になります。
リネンサプライが低コストで成立するのは、同じ規格のリネンを大量にまとめて洗えるからです。同じ生地、同じ色、同じ洗い方のものを一度に処理できるからこそ、1枚あたりの単価を抑えられます。
ところが、その施設だけの特別なリネンは、他と混ぜて洗うことができません。生地が違えば洗い方も乾燥の温度も変わりますし、色移りのリスクもあります。結果として、その施設のためだけに洗濯を一回立てることになり、量産の効果が効かなくなります。
盗難でもなく、へたりでもない。単純に「オペレーションの都合」で費用が上がる部分です。ここも、開業前の試算にはまず入っていません。
結果として、どれくらいのコストになるのか
盗難による紛失、へたりによる買い替え、洗濯を分けることによる割高。この3つが積み上がった結果です。
質が高いほど持ち帰られる確率が上がります。単価が高いぶん、1枚あたりの損失も大きくなります。
20回もたないこともあります。業務用の90回以上と比べると、買い替えの周期が大きく変わります。
洗濯を分ける割高分も加わり、通常のリネンと比べてこの程度のコストになるのが実感です。
ご注意:「3〜4倍」はノゼランリネンサプライがこれまで沖縄の現場で見てきた経験にもとづく目安です。施設の規模、リネンの種類、稼働率によって変わります。正確な金額は、お打ち合わせのうえお見積りいたします。
では、こだわりのリネンはやめるべきなのでしょうか
お伝えしたいのは「やめてください」ということではなく、「3〜4倍のコストを織り込んだうえで判断してください」ということです。
そのコストを乗せても客室単価で回収できる。あるいは採算を承知のうえで、どうしてもその世界観を実現したい。そうしたご判断であれば、こだわりのリネンは施設の強い個性になります。ノゼランリネンサプライでも、ご希望に応じてプレミアムシリーズをご用意しています。
いちばん避けたいのは、コストを知らないまま始めてしまい、開業後に「こんなはずではなかった」となることです。判断材料さえ揃っていれば、どちらを選んでも間違いにはなりません。
- 3〜4倍のコストを織り込んでも客室単価で回収できる → こだわりリネンもあり
- 採算より世界観を優先すると決めている → こだわりリネンもあり
- コストを抑えて安定運営したい → 定番リネンをおすすめします
- 判断に迷っている → まずはご相談ください。数字を一緒に見ます
口コミやレビューは、必ずしもリネンの金額に比例するものではありません。清掃が行き届いていない、プールが汚いなど、リネン以外の部分で減点方式に評価される方が多いのが実情です。
こだわりリネンに関するよくある質問
こだわりのリネンにすると、コストはどれくらい変わりますか。
リネンの盗難は本当に起こるのですか。
業務用リネンは何回くらい洗濯に耐えられますか。
こだわりのタオルはどれくらいもちますか。
なぜ自分のリネンだと洗濯代が高くなるのですか。
こだわりのリネンはやめたほうがいいのでしょうか。
プレミアムなリネンを扱ってもらうことはできますか。
ほとんどの施設にはどちらをすすめますか。
最終更新日:2026年8月1日
迷っている段階でこそ、ご相談ください
こだわりのリネンでいくらかかるのか、定番ならどうなるのか。開業前の数字合わせの段階からご相談いただけます。沖縄でリネンサプライを続けてきた現場の目で、一緒に考えます。
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