ホテルのタオルは外注?自分で洗う?

自分で洗濯した場合

シーツはアイロンをかけたりするのを考えるといかにも自分でやるのは無理なのでここでは敢え省き、ご自身で出来てしまいそうなタオルに関して論じてみたいと思います。

結論から言うと、ご自身でももちろん洗濯していただくことはできます。しかしせっかくですから、どのくらいコストがかかるのか見てみましょう。AIを使いながら調べたので、かなり正確な数値が出ていると思います。

沖縄本島の一般家庭の最新設備で洗濯

  • 洗濯機:縦型7kg、標準コース(すすぎ2回)
  • 乾燥機:ガス衣類乾燥機(例:リンナイ「乾太くん」6kg〜9kgクラス)
    • 6kg乾燥時:ガス代 約85円+電気代 約11円 → 合計 約96円/回(LPガス5.9円/MJ、電気31円/kWh前提)リンナイ
  • 水道・下水道料金:沖縄の一部自治体の例で、
    • 上水: 約260円/㎥
    • 下水: 約100円/㎥ → 合計 約360円/㎥(11〜50㎥帯の代表値)town.yonabaru.okinawa.jp
  • 電気料金:沖縄電力の従量電灯で40円/kWh前後のイメージ(使用量120kWh以下帯で約40.2円/kWh)価格.com

1回分の概算

① 水道代(+下水)

  • 使用水量: 約0.113㎥(113L)
  • 単価: 約360円/㎥(水道+下水)
    0.113 × 360 ≒ 約41円

② 洗濯機の電気代

  • 消費電力量: 約0.1kWh
  • 電気単価: 約40円/kWh
    0.1 × 40 ≒ 約4円

③ ガス乾燥機のガス代

  • 6kg乾燥でガス代 約85円/回(LPガス)リンナイ
  • 7kgだと少し多めに見て
    おおよそ ガス代 90〜110円/回 くらい

④ ガス乾燥機の電気代

  • メーカー例:6kgで電気代 約11円/回リンナイ
    7kgでも 約10〜15円/回 程度

合計イメージ

項目概算
水道代(+下水)約40円
洗濯機の電気代約4円
乾燥機のガス代約90〜110円
乾燥機の電気代約10〜15円

→ 合計:おおよそ 140〜160円/回

これは最新の洗濯機、乾燥機の前提でさらにカタログ値をそのまま用いているので、実際には1.2倍程度の200円程度が現実的でしょう。

■ 1回あたりの洗剤・柔軟剤の料金(7kgを想定)

① 洗剤(液体洗剤)

代表例:アタック・トップ等の一般的液体洗剤

  • 本体内容量: 900g
  • 価格: 400〜600円
  • 使用量: 約30ml(7kgの場合)
  • 1本あたりの使用回数: 約30回

→ 1回あたり:13〜20円


② 柔軟剤

代表例:レノア・ハミングなど

  • 内容量: 600ml
  • 価格: 350〜500円
  • 使用量: 約20ml(7kgの場合)
  • 1本あたりの使用回数: 約30回

→ 1回あたり:12〜17円


■ 総額(洗剤+柔軟剤)

項目1回あたり
洗剤13〜20円
柔軟剤12〜17円
合計25〜37円/回

つまり、おおよそ1回あたり240円が洗濯にかかるといえます。

バスタオル1枚あたりの洗濯料金

なお、弊社のバスタオルであれば、おおよそ450グラムの為、15枚を満タンにすれば洗えます。すると1枚あたり16円程度となります。しかし、7キロの洗濯機で満タンにして洗うことは現実的に難しく、メーカーも8割程度を推奨しているので20円程度が現実的でしょう。

なお、シーツの場合たとえばダブルシーツであれば1キロ程度あるので7キロ洗濯機を5キロで回すとすると240/5=48円。さらにアイロンをかける手間を考えると、自分で行うのはいかにも非現実的な為、ここではタオルに絞って考察します。

●タオルのたたみ

タオルをたたむのに、熟練であれば10秒、遅い人で30秒。間を取って20秒として計算します。パートさんの時給が1,200円として1分20円、おおよそ7円程度がたたみにかかります。さらに洗濯機の中に入れる、取り出す手間を考えると10円。ここまでで30円です。

●タオル購入代金

バスタオルを購入するのに、税込みで1,100円かかったとします。業務用タオルはおおよそ100回の洗濯で寿命が来るといわれていますが、それは全て汚れを取ることが出来たら、という前提。工場では滅菌殺菌など様々な溶剤がありますが、一般的な洗濯で取れない汚れが、おおよそ5%程度出て参ります。

そうした時、毎回5%損耗が出るので、90回でゼロになります。そうすると、1,100円÷90回=12.2円タオルが必要です。実際のところ、顧客が持ち帰ったりとどんどん消えていくので10%以上は少なくともなくなりますから、14円程度が妥当でしょう。

そうすると先の30円+14円で44円。実際には、洗濯機を半分以下で回すことも多いでしょうし、洗濯機や乾燥機の購入費用、また使えば使うほど劣化していくのでその費用、さらにリネンを置く場所、諸々考えると、結局1枚あたり60円~100円を超えることもあり、リネン業者に頼んでもタオルもそう変わらないのです。

さらに、タオルは肌に直接触れるために保健所から特に危険な指定洗濯物に指定されています。本来、指定洗濯物は80度以上の熱湯や上記など、クリーニング業法でしっかりと不特定多数が使うタオルは洗い方が定められています。

保健所に問い合わせたところ、小規模のホテルには目をつぶっているだけで、もし感染症など起こればホテル側が責任を追及される可能性も十分ある、との回答でした。

リネンを揃える=ホスピタリティ

そしてここからはリネン工場としての意見です。リネン工場同士仲が良いので、同業者ともよく話すのですが、リネンはお金がかかりますね?しかし、タオルやシーツをノンアイロンシーツにして、利益をしっかりと出しているホテルは「皆無」。ケチらずにリネンを利用しているホテルは、例外なく成功されています。リネン会社が儲けるためにそう言ってるだけでしょう、と思われるかもしれませんが本当です。

小規模でも中規模でも、安くとも、流行っているホテルをネットで探してみてください、必ずリネンは外注しています。ヴィラタイプでも民宿でも同じです。1泊数千円のビジネスホテルでも流行っているホテルは必ず外注です。

上記の計算の通り、ご自身でされても外注しても、タオルですらほとんど結局コストは変わらないのです。付け加えるとするならば、洗濯機にいっぱい入れて、乾燥機に濡れた重い洗濯物を移動させるのを非常に嫌います。

モチは餅屋。清潔なリネンを備えるのは、お客様をおもてなししよう、という心のあらわれであり、お客様に対するホスピタリティそのものではないでしょうか。

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