
沖縄のリネンサプライ工場、ノゼランリネンサプライです。今回はのシミの落とし方についてのご説明です。
リネンサプライ工場でどのようにシミを抜いているのか、気になる方も多いのではないでしょうか。我々は産業クリーニングといって、一般のクリーニング屋さんとは考え方が異なります。
一般のクリーニングであれば、いかにきれいにシミを抜いてお客様にお返しするかに焦点を当てます。産業クリーニングはコストとの兼ね合いになります。
極論すれば時間とお金をかければ、99.99%のシミは取れるといえると思います。然しその為には時に膨大なコストがかかります。その為、ひと通りやってみて、これは難しいと判断した場合、弁償扱いとさせていただいています。
但し実際のところ、消費者向けクリーニング店でもギブアップしているところは多く、どのような素材が使われているのかが限定されているリネンサプライ工場のほうが、むしろ汚れは落ちやすいとも言えます。
なお一般家庭であれば、洗剤に柔軟剤のみですが、業務用リネンサプライ工場では漂白剤滅菌殺菌など助剤、主剤合計最大6つを使うこともあり、また業務用ですので明らかに一般の洗濯機よりも汚れはかなり取れやすくなります。
それでもシミが出てしまうことがあった場合、どのような対処をしているのかご説明します。
それでは実際の汚れの流れを見てみましょう。
まずはシミを判別します

弊社の従業員が何のシミか見分けます。案外多いのが鉄サビ。お客様のホテルの鉄骨がさびていたりするとそれがつきます。沖縄県は特に海沿いのホテルは潮風により錆が出やすいのです。
当然中性洗剤などで洗っても取れないので、レモン汁やクエン酸を使うことになります。大抵は見て数秒で何のシミなのか見分けることが出来ますが、わからない場合はにおいをかいでみたりして、例えばしょうゆなどの場合もありますので、そのようにして原因を特定します。
必要に応じてつけ置きします

どの洗剤が有効なのか考えて、それらの洗剤に浸します。短い時は数分、長い時は1日浸すこともあります。必要であれば数種類の洗剤に浸し、色々と工夫をして汚れを取っていきます。
何十時間もやっても取れないようなシミもありますので、申し訳ないですがもうこれはギブアップ。汚れ物をホテルにため込まず、すぐにお返しいただくことが、リネンを清潔に保つ秘訣です。
一般のご家庭でも同じで、汚したら、即洗う!これが基本中の基本です。
pHから考える
pH(ペーハー)が低ければ酸性、高ければアルカリ性です。基本的に強アルカリは汚れを落とすのに向いていますが、生地を傷めやすく、酸性は生地に優しいですが汚れは落ちません。アルカリの中和にも一役買います。
pH帯 | 用途 | 特徴・効果 |
---|---|---|
酸性(pH 3~6) | リンス処理、柔軟剤仕上げなど | アルカリ残留中和。仕上がりを整える。 |
中性(pH 6.5~7.5) | デリケート衣類、色柄物 | 生地にやさしい。変色・縮みを防ぐ。 |
弱アルカリ性(pH 8~10) | 一般衣類・軽い汚れ | 多くの家庭用洗剤がこの範囲。 |
強アルカリ性(pH 11~13) | 油汚れ・血液・業務用 | 頑固な汚れに有効。ただし繊維に負担大。 |
リネンサプライとは関係ありませんが、鉄の水垢などはpHが低い酸性の溶液を使うと面白いほど落ちます。しかそのままにしておくと酸性ですのでサビを思い切り誘発してしまうので、アルカリ性で中和する必要があります。
酸であれアルカリであれ、強い薬剤を使う時は人体にも影響が出やすいので、注意が必要です。