
タオル類はリネンサプライ業者に依頼するほうが、実はコストパフォーマンス・タイムパフォーマンスともに優れているということは、こちらのページでも詳しくご紹介しております。それでもなお、開業当初は自前でリネン類を洗濯されているホテル様も少なくありません。弊社も過去に、そうしたホテル様の客室清掃を担当させていただいた経験がございます。今回は、その実体験をもとに、自社洗濯からリネンサプライへ切り替えるホテル様が辿る「ある共通の流れ」についてお話しさせていただきます。
最初は、なんだ出来るじゃん→アレ?→結局外注に
何だ出来るじゃん、の段階
ホテルを開業されたばかりの時期は、自前での洗濯に特に問題を感じないことがほとんどです。実際にタオルやシーツを洗濯してみても「なんだ、これで十分じゃないか」「自社でやったほうが安く済む」と感じられる経営者様は非常に多くいらっしゃいます。たしかにランニングコストだけを見れば、タオル類を購入し自社で洗濯した場合、リネンサプライ業者へ外注するコストの80%程度で済んでしまうケースもございます。多くのホテル様が、開業から最初の1~2年はこの「何だ出来るじゃん」の段階にいらっしゃいます。
一般の洗濯機・乾燥機は、業務用ほど耐久性がない
しかしながら、業務用の洗濯機・乾燥機と、一般家庭向けの洗濯機・乾燥機とでは、構造そのものが根本的に異なります。一般用の洗濯機の寿命はおおよそ6~8年程度とされており、沖縄県内でドラム式洗濯乾燥機を購入する場合、送料を含め25万円前後が相場です。
ところがホテルでの使用は、毎日不特定多数のお客様のリネン類を洗濯することになりますので、一般家庭での使用頻度の倍近いペースで機械が稼働・摩耗していきます。その結果、本来6~8年もつはずの洗濯乾燥機が、わずか3~4年ほどで寿命を迎えてしまうことが珍しくありません。
単純計算でも、3年というサイクルで約12.5万円分のコスト増となる計算です。しかも厄介なのは、機械が目の前で分かりやすく壊れてくれるとは限らない、という点です。お客様がチェックインされ、まさに使おうとしたタイミングで洗濯乾燥機が故障していた場合、ほぼ間違いなくクレームへと発展します。そしてそのクレームは口コミサイトやSNSに書き込まれ、結果として新規予約数の減少という形でホテルの売上に直結してしまいます。突発的な故障のリスクは、酷使することでおよそ2倍にまで高まるとも言われています。
故障は一気にまとめてやってくることが多い
多くのお客様は、開業当初は数部屋規模からスタートされ、その際に洗濯乾燥機を複数台まとめて購入されるケースがほとんどです。そうなると当然、機械の寿命もほぼ同じタイミングで訪れることになります。たとえば5部屋分でスタートされた場合、3年後にはほぼ同時期に100万円以上もの設備更新費用が一気に発生してしまう計算になります。
さらに沖縄という土地柄、新しい機械を発注しても配送に数週間かかることは珍しくありません。その間、客室の稼働を止めるわけにもいかず、洗濯ができない状況でどうリネン類を回していくのか、頭を悩ませることになります。
結果として、清掃の際もタオルやシーツが洗濯できず、やむを得ず近くのコインランドリーへ持ち込んで洗濯することになり、人件費・コストともに想定外の出費が膨らんでいきます。こうした経験を経て、最終的に多くのホテル様がリネンサプライ業者への依頼を検討されるようになるのです。
ところが、いざ依頼しようとしても「現在タオル類の洗濯対応で手一杯のため、新規のご依頼はお受けできません」とお断りされてしまうケースも少なくありません。実際、弊社以外の沖縄県内の提携リネン業者様の多くも、現在ほぼフル稼働の状況が続いております。ホテルという業態は本来、お客様をおもてなしすることこそが本業であり、目先のコストばかりを気にするのではなく、突発的な事態にも対応できる体制をあらかじめ整えておくことが、結果的に経営の安定につながると弊社は考えております。
そして、こうしたクレーム対応のしわ寄せは、すべて現場のスタッフの方々に集中します。実際に弊社が客室清掃でお伺いしていた現場でも、凄まじい光景を目にしたことがございます。お客様が怒鳴り声をあげ、フロントスタッフの方がひたすら頭を下げ続け、その方がしばらくすると退職され、人員不足の中でまた別のスタッフが矢面に立たされ、そしてまた退職していく――。そうした負の連鎖の末にホテル全体の評判が下がり、客室稼働率や売上の低下という形で、最終的には経営者様ご自身にそのツケが回ってくることになります。
そうであれば、最初の段階から快く受け入れてくれるリネンサプライ業者に依頼し、洗濯・リネン管理という専門領域は「餅は餅屋」に任せてしまったほうが、長い目で見れば経営判断として賢明なのではないかと、弊社は考えております。
